精神科に行くか迷っている人へ|受診のきっかけと実際に変わったこと

カウンセリングの紙を持っている医者

通勤中、なぜか涙が止まらない。拭っても拭っても、涙が出てくる。  あれ、なんでだろう?

電車の中で必死にこらえて、会社に着くころにはもうクタクタ。

「自分はなにかの病気なの?」  

「精神科には頼りたくない」

そんなふうに思っていた時期が、私にもありました。

この記事では、私が精神科に行こうと思ったきっかけと、実際に受診してどう変わったのか実体験をお話しします。  「行くべきか迷っている」そんな方の参考になれば嬉しいです。

目次

精神科に行こうと思ったきっかけ

電車のホームで後ろ姿で立つ女性の写真

私が精神科を意識したきっかけは、通勤中でした。

いつも通りの朝、電車に乗って通勤していると、突然涙が出てきて止まらなくなったんです。  会社に行きたくない、ここから逃げたい、助けて欲しいと、人目を気にせずポタポタと涙が溢れてくる。

「このまま会社に行っても仕事できるか?」  「いや、普通に働ける状態じゃないかもしれない」

そう、自分に違和感を感じたのが最初です。

それまでも、なんとなくしんどい日はありました。  でも「みんなも頑張ってるし」と見て見ぬふり。ただ、このときはさすがに  「もう限界かもしれない」  と、初めて自分で気づいた瞬間です。

その日からも行き帰りの通勤中も、「あぁしんどい」「もう頑張れない」「もう自分には無理だ」とずっと地面と睨めっこ。流れるような人混みが、「現実社会はそんなもんさ」と語っているような気がする。

自分の気持ちを我慢するたび涙は止まりません。

踏切をぼーっと眺めている自分にハッとして、このままだと本当にまずいかもしれない。そう思った。

 精神科に行く前に不安だったこと

正直、精神科に行くのはすごく怖かった。

  • どんなことを聞かれるんだろう  
  • 重い病気だと思われたらどうしよう  
  • すぐ薬を出されるのかな  
  • 周りに知られたらどうしよう  

いろんな不安がありました。

毎日、「うつ病の症状」「精神病院 診察料」「本当に治るのか」と検索。正直、精神科に行く自分が情けないし頼りたくない、そう思って予約していたのを当日にキャンセルしたこともある。

今思うと「自分なら平気!」と思いたくて、行かない理由を探していたんだろうな。

でも、頭から「しんどい」が離れなくて、  「このまま何もせず悪くなる方が怖いかも」と半年間悩んでようやく受診することにした。

実際に行ってどうだったか?精神科病院ってこんな感じ

白衣の医師が問診票にペンで記入する様子(手元のクローズアップ)

病院と先生の雰囲気

実際に行ってみると、「思っていたよりも若い人が多いんだな」が第一印象。自分と同世代の人もいれば、親子で来てる小学生の男の子もいます。男女比は6:4で、女性の方がやや多い。苦しいのは「自分だけじゃないのか」とまずそう思いました。

スタッフさんも先生も、良い意味で淡々としてて他の病院と何ら変わらない。

あれ、自分が想像してたよりも明るい雰囲気じゃん…。精神科というと勝手に暗いイメージを想像していましたが、私の通う病院では、開放的な空間で明るかったです。

先生は落ち着いた雰囲気で、今の状態や生活についてゆっくり聞いてくれます。

実際の診察内容

「つらいことはありますか?」  

「日常生活はどんな感じですか?」

「夜は眠れていますか?」  

そんな質問に答えていくだけ。無理に話を引き出されることもなく、  「話せる範囲で大丈夫ですよ」  と、こちらのペースに合わせてくれる。

上手く喋れない私に「うん、ゆっくりで良いですよ」とニコッと笑顔。自然と心の壁が壊れていくのを感じました。

この人になら話してみようかな….。

診察は、初診の時は10分ぐらい。再診は5分ぐらいで終了です。(病院にもよる)

質問に答えて、今の自分の状況を先生が言語化してくれます。最後に回復に向けたアドバイスや医療的なことを話して終わり。無理に薬を勧めてくる感じではなく、日常で出来る改善策を教えてくれた。

例えば、

数分でいいから散歩してみてください。休める時は休んでください、といったこと。もちろん、やってみたけど自分には効果がないかもと感じて、処方された漢方薬を試してみることに。

適応障害と診断された

「すぐに仕事を休んでください」

3回目の診察の時に、先生にそう言われて驚いた。

まさか自分が適応障害になっているなんて、今まで気づかなかったから。休職するための診断書をとりあえず書いてもらい、翌朝、人事に相談した。「明日から仕事を休まないといけないみたいで….」昨日もらった診断書を提出すると、上司は「は?いや、何で?原因は?」と質問責め。この時点でもうしんどい。

結局、納得してもらうのに半日かかった。

自分の仕事も中途半端なまま残し、迷惑をかける人に頭を下げる。今日を乗り切れば、明日から休養するぞ!なんて前向きな気持ちはない。

ただただ、この場所から逃げたい一心で乗り切った。後の事は、怖いくらい記憶がない。どうやって帰ったのかさえ分からない。

精神科に通って変わったこと

結局、会社規定の期間まで休職した。

それでも「回復した」感じがなくそのまま退職することになった。精神科に通って気付いたのは、もう環境を変えるしか自分を守れないんだということです。

私の場合は原因が人間関係だったので、復職してもまた繰り返すのが目に見えていました。自分ができるのは環境を選ぶことだ、と。だから精神科に通ってから大きく何かが変わった、というよりも少しずつ、自分と向き合えるようになった感覚です。

ちなみに、退職してから次の働き方にたどり着くまでは、しばらく時間がかかりました。そのあいだのことは職場でぶっ壊れた私が復帰するまでに書いています。

  • 自分の状態を客観的に見れるようになった  
  • 「つらい」と思っていいんだと気づけた  
  • 無理しすぎていたことに気づいた  

特に大きかったのは、  「自分を責める回数が減ったこと」です。

それまではなんでできないんだろう「甘えてるだけかも」  とずっと思っていました。そうじゃなかったんだと知れただけで、かなりラクになりました。

退職後もパワハラの影響で苦しんだ時期がありました。実際に出た症状と回復までの話はこちら

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精神科の費用はどれくらいかかった?

精神科に行く前、「いくらかかるんだろう」と不安に思っていました。

実際にかかる費用はこんな感じです。(2026年5月時点)

※保険適用(3割負担)の場合

  • 初診:だいたい2,000〜3,000円ほど  
  • 再診:1,000〜2,000円ほど  
  • 薬代:1,000〜3,000円ほど(内容による)  
  • 診断書代:10,000円ほど保険適用外
  • カウンセリング:30分/6,000円保険適用外
  • 血液検査:6000〜7,000円(内容による)

診察と薬だけなら1回3,000〜4,000円程度でみておくと良いです。病院にもよるので、あくまで参考例として下さい。

また、継続して通院する場合は  医療費の負担が軽くなる制度(自立支援医療)もあります。経済的に不安な方は利用してみて下さいね。

厚生労働省のサイトより「自立支援医療」

精神科に行ってよかったと思うこと

逆光の中で振り返る女性の後ろ姿の写真
  • 休職するきっかけになった
  • 悩みを相談できるプロがいる安心感
  • 漢方に頼りながら回復できた

一番よかったのは、「ひとりで抱えなくていい」と思えたこと

これに尽きます。

誰にも言えなかったことを、安心して話せる場所があるだけで、気持ちはかなり軽くなります。先生やカウンセラーさんがいることで「ひとりじゃないんだ」と気づけました。また私の場合は、漢方が効く体質のようです。何の漢方かは個人差があるので紹介は控えさせていただきます。。

私のようなHSPは1人で抱え込みやすい傾向が高いです。けど、第三者だから話せることってあると思いませんか?先生はちょうどいい距離感で話を聞いてくれます。味方でもなく、敵でもなく、ただ隣にいる人。それが落ち着く。

心の病気というと、周囲の人にバレたくないから、内緒にする人も多いでしょう。これは私の持論ですが、私は別に話さなくてもいいと思ってます。変に心配される方が、申し訳なくなってしまう。話せる日が来たらで良いと思います。

何もしない日の過ごし方をこちらの記事でまとめています。

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病院に行くか迷っている人へ

もし今、精神科に行くか迷っているなら、迷っている時点でも受診を検討して大丈夫です。

「絶対に行かなきゃ」と思わなくて大丈夫です。

でも、

  • 涙が止まらない  
  • 日常生活に支障が出ている  
  • 「ちょっと限界かも」と感じている  

そんな状態なら、一度専門家に頼ってみてもいいと思います。精神科に行くことは、可笑しいことじゃありません。自分を守るためのひとつの手段です。

私の場合ですが1回行くと、2回目からすんなり通えました。あの悩んでいた時間なんだったのって、不思議です。

病院に行くのはハードルが高い、まずカウンセリングで今の心の状態を知りたいという方は心理士と直接カウンセリングをするという方法もあります。自分に合った方法で少しずつ、悩みを手放してみましょう。

精神科に行く前に|注意点と準備するもの

  • 2ヶ月待ちの予約が多い
  • 口コミを信用しすぎない
  • 休職を視野に入れておく

いざ精神科病院の予約ページを開くと2ヶ月待ちってこと、あるあるです。早めの予約をおすすめしたい所ですが、「自分は2ヶ月後にメンタルヤバくなる」予測できる人なんてまずいないと思います。

だから私がこの項目で1番に伝えたいのは、

「精神科病院は行きたいタイミングで行けない可能性がある」です。

初診を受け入れていない病院もあります。無理なく通える範囲で、どこの病院なら行けるか?確認しておくだけでも安心です。口コミは過信せず、自分が実際に通って、先生との相性を確認すると良いでしょう。個人差が大きいので。

初診に持っていくもの

「準備するもの」と見出しに書いておいてなんですが、初診でどうしても要るのは保険証くらいです。あとは、あると助かるもの。

  • 健康保険証(マイナ保険証でも可)
  • お薬手帳(今飲んでいる薬があれば)
  • 伝えたいことを書いたメモ(その場でうまく話せないことが多いので)
  • いつ・どんなときにしんどいかを記録したもの(あれば)

初診は問診票を書く時間があるので、予約時間より少し早めに着くつもりでいくと落ち着きます。私は付き添いなし、保険証だけ持って行きました。

休職に入る前に、知っておきたかったこと

私は「すぐ休んでください」と言われて、勢いのまま会社に診断書を提出しました。手続きも、お金のことも、ほとんど知らないまま。正直、休むことへの罪悪感もありました。あとから「先に知っておけばよかった」と思ったことをまとめます。会社やルールで違うことも多いので、私の場合の話として読んでください。

診断書は、その場ではもらえないことも多い

診断書は、行ったその日に必ずもらえるものではないみたいです。何回か通って、症状の経過や生活への影響を見てから書きます、というお医者さんも多いよう。ただ、症状が重くて早く休んだほうがいいと判断されれば、初診で出してもらえることもあるそうです。もし休職を考えているなら、初診のときに「仕事を休むことも考えています」と伝えておくと、話が早いことが多いようです。

私の場合は、予約から初診まで1週間、診断書が出たのは3回目の診察でした。自分から頼んだわけじゃなく、先生のほうから「すぐ休んでください」と言われて書いてもらいました。ただ、そう言われても、その日から会社に行かなくてよくなるわけではなくて。引き継ぎや会社側の手続きがあって、実際に休みに入るまでには少し時間がかかりました。

会社への伝え方は「上司から人事へ」が一般的

一般的には、まず直属の上司に「体調不良で、医師から仕事を休むよう言われた」と伝えて、そこから人事に話がいく流れが多いようです。厚生労働省の「職場復帰支援の手引き」でも、主治医の診断書を上司に出すところから休みが始まる、と説明されています。会社によっては、産業医との面談があることもあります。

休職は法律で決まった制度ではなく、会社の就業規則で定めるものです。だから休める期間も、休職中のお給料の扱いも会社によって違います。就業規則の「休職」のところは先に自分で読んでおくと、見通しが立ちます。

厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」

私の場合は順番が逆で、最初に人事へ対面で相談に行きました。診断書もその人に渡しています。伝えたのは、診断書を見せて「今こういう状態です」ということだけ。病名や原因を口で細かく説明したわけではないです。休職中の連絡ルールは、就業規則を自分で開いて確認しました。

上司にどう切り出したか、当日のやり取りをこちらの記事で詳しく書いています。

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休職の伝え方|自分から言い出せなかった私が、上司に切り出した日 「休みたい」と自分からは言い出せませんでした。半年悩んで、3回目の診察でやっと先生に「すぐ休んで」と言われて。翌朝、診断書を持って上司に切り出した日のこと、何を聞かれて何に答えられなかったかを、私の体験と一般的な流れの両方でまとめました。

病名は「言える範囲」で大丈夫

休職や傷病手当金に使う診断書には、病名が書かれるのが一般的です。でも、そこから先――どんな症状か、原因は何か――を会社に細かく話すかどうかは、自分で決めていい部分だと思います。病名や症状はデリケートな個人情報として扱うことになっていて、会社が取得するには、原則として本人の同意が必要とされています。

個人情報保護委員会「雇用管理分野における個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項」

私は診断書を見せて、「今こういう状態です」と伝えただけでした。原因や病名を口で説明したわけではないです。会社からは「いつまで休むのか?」とも聞かれましたが、それは自分では答えられませんでした。休む期間は、お医者さんが診て決めることなので。

「傷病手当金」という制度がある、とだけ知っておく

会社員などが入る健康保険には、病気やケガで連続して仕事を休んだとき、条件を満たせばお給料の3分の2くらいが受け取れる「傷病手当金」という制度があります。休職に入る前に「そういう制度がある」と知っておくだけでも、お金の不安はだいぶ違います。

ただし、この制度があるのは会社員などが入る健康保険です。自営業やフリーランスの方が入る国民健康保険には、基本的にありません。

全国健康保険協会(協会けんぽ)「傷病手当金|給付と手続き」

金額の計算や申請のしかた、足りないときの工夫は傷病手当13万円では生活できない?と傷病手当金の申請でつまずいた話にまとめています。ここでは「ある」と知っておくだけで十分です。

精神科の受診・休職についてよくある質問

受診をためらっていたころ、私が検索窓に打ち込んでいた疑問をまとめました。答えは「病院による」「会社による」ばかりで恐縮ですが、私の場合どうだったかも一緒に書いておきます。

受診したら、必ず休職になりますか?

いいえ、受診=休職ではないです。通院しながら、お薬や生活の調整で様子を見る人もいます。休むかどうかは症状とお医者さんの判断しだい。私の場合は3回目の診察で、先生のほうから「すぐ休んでください」と言われました。

こころの耳(厚生労働省)「メンタルヘルス不調の治療と休業:職場復帰のガイダンス(働く方・ご家族の方へ)」

心療内科と精神科は、どう違いますか?

ざっくり、精神科は落ち込み・不安・眠れないといった「心の症状」が中心のとき、心療内科はストレスが胃痛や動悸など「体の症状」に出ているときが得意分野、とされています。ただ実際は両方を掲げるクリニックがほとんど。厚生労働省のサイトでも、心療内科でこころの病気を診ているところは多いと説明されています。私は違いで選んだわけじゃなく、家から近くて予約が取りやすい精神科にしました。

厚生労働省「こころもメンテしよう|こころを専門に診る病院の種類は?」

診断書はいくらかかりますか?

健康保険がきかないので全額自費です。休職用で3,000〜10,000円くらい、5,000円前後という情報が多いですが、病院差が大きいです。私が通っていたところは10,000円ほどでした。

ここまでが、受診してから休職に入るまでの話です。休職に入ったあと、「何もできない」時期からどう過ごして回復していくかは休職中の過ごし方ガイドに4つのステップでまとめています。少し回復してきて「次はどう働こう」と考えはじめたら、休職中に転職活動していいの?もどうぞ。

まとめ|今は元気もりもりです

精神科に行くきっかけは、人それぞれです。

私の場合は「通勤中に涙が止まらなくなったこと」でした。

あのとき勇気を出して行ったことで、  少しずつですが回復していきました。もし今つらいと感じているなら、  無理せず、自分に合う方法で心を守ってあげてください。この記事が参考になれば嬉しいです。

休職中の過ごし方については、実際に私が試したことをまとめています。

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※本記事は筆者の体験に基づくものであり、医学的な診断・治療を目的としたものではありません。心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
相談先の例:厚生労働省「こころの耳」(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)
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この記事を書いた人

職場の人間関係やパワハラに悩んだことをきっかけに、「となりの繊細さんラボ」を立ち上げました。繊細な気質ゆえに、がんばりすぎてしまったり、人の顔色を気にしてしまったり。同じようにしんどさを感じている方に向けて、体験談や対処法を発信しています。この場所が、少しでも心を休められる“ひとやすみの場”になれば嬉しいです。

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