休職して最初の1週間、私はスマホをひたすらスクロールし続けていた。
Netflixを開いて、何十分もサムネイルを眺めて、「これにしようかな」→「いや気分じゃないかも」→「でもこっちも見たかったやつ」——気づいたら1時間が過ぎていて、結局何も見ていない。
そんな経験、ありませんか?
判断力が落ちているときって、「何かを選ぶ」それだけで消耗するんですよね。しかも間違えて怒鳴り合いが続くドラマを見てしまったとき、見終わったあとに余計ぐったりして「なんで私こんなもの見てしまったんだろう」と落ち込んだりする。
HSPはもともと映像・音・登場人物の感情に対する感受性が高い。だから「面白いかどうか」より先に「自分の今の状態で、この刺激に耐えられるか」という目線でアニメを選ばないと、見た後に余計しんどくなることがある。
休職中にそれを何度か繰り返して、私はやっと気づいた。
アニメの選び方にも、HSPなりの基準が必要だ、と。
正直に言うと、最初は「休職中にアニメを見るなんて怠けすぎでしょ….」と自分を責めていた。
本来はもっと「仕事のための休み方」をしなきゃいけないんじゃないか、資格の勉強をするとか、読書をするとか。でも、それができないから休職しているわけで。
何もできない日に、ただ画面を眺めることができる、それでよかったんだと今は思います。
この記事では、私が実際に休職中に見ていた作品のなかから、本当に助けてもらったおすすめのアニメを5本選びました。
「見てよかった」ではなく、「あのとき見ていなかったら、もう少し回復が遅れていたかもしれない」と思えるものだけを厳選して選びました!!!
「今日は何をしようかな」「何もする気が起きない」そんな、疲れている方にこそ見てほしい。
YODAKANetflixで見れる作品を集めてみたので、気力があるときに1本だけ気になる作品をチェックしてみてくださいね。
HSPの私が休職中「人気のアニメ」で消耗していた理由
HSPの私は休職中に人気といわれるアニメをたくさん見続けてきました。王道からマイナーまで、Netflixのアニメを全部見たんじゃないかってくらい、1日中ずっと見ていた。けれど、「あれ?逆に疲れてない?」と思ったものもありました。休職中におすすめのアニメを紹介する前に、どんな基準で選んだのかご紹介します!
刺激の強い作品が体にこたえる
過激なバトルシーンや、ギラギラの照明が光るような作品。「面白いのに、なんか疲れるなぁ」という感覚、心当たりはありませんか?単純に目が疲れているのもあるけど、「この勝負、絶対に負けないぞ!!」の主人公になんだか物申したくなる。「世の中、そんな甘くないからな!練習したからって負けるときは負けるんだよ」なんて。笑
社会の荒波で捻くれてしまった私には、真っ直ぐすぎる主人公が合わない時もある。
休職中はただでさえ神経が過敏になっている時期でもあります。
通常時より「刺激への耐性」が下がっていることも多い。そのなかで刺激の強いアニメを見ると、エンタメのはずがなぜか、今の自分と重ねて疲労になってしまうこともあります。
「それくらい平気でしょ」と思うかもしれないけれど、HSPにとって「見終わった後の感情の残り方」は思っているより長い。特に感情的な対立シーンや、理不尽に誰かが傷つくシーンは、見た後もしばらく頭の中でリプレイされることがある。消耗している時期には、そのコストが大きくなります。
体がこたえるのは、それだけ真剣に見ているということでもあるんです。
「選ぶ」だけで疲れてしまう
休職中に一番しんどかったことのひとつが、「何かを決める」という行為そのものだった。
お昼ご飯に何を食べるかも決められない。コンビニで商品を選ぶのに10分かかる。そういう状態のとき、Netflixを開いて「今夜見るアニメ」を選ぶのがどれだけ大変か。
何十分もサムネイルを眺めて、あらすじを読んで、「でも1期から見るの長いな」「これってグロいシーンある?」「評価が高いからって自分に合うとは限らないし」——そうやって悩んでいるうちに体力がなくなって、結局何も見ずにスマホを置いて横になる。
その繰り返しでした。
HSPは情報処理が深いぶん、「選ぶ」という行為で消費するエネルギーも大きい。
普通なら10秒で決まることを、「これで本当にいいのかな」「後悔しないかな」と深く考えてしまう。それ自体は悪いことじゃないんだけど、消耗しているときには余分な重さになる。
この記事を読んでいるあなたも、似た経験があるんじゃないかと思って書いています。「誰かに選んでもらいたい」というその気持ちに応えたくて、この記事を書きました。
休職中におすすめのアニメの選び方
今回ご紹介するのは、休職中におすすめのアニメ5作品です。以下の3つの基準で選んでいます。
①刺激レベル
暴力・怒鳴り・激しい感情対立が少ないかどうか。主人公が弱すぎない、偉そうじゃない人柄。
「見終わったあとにぐったりしない」ものを選びました。
②1話あたりの時間
体力ゼロでも途中で止めやすいかどうか。
「1話だけ」と思って始められる、ほどよい長さも大事です。
③HSPの気質にどう刺さるか
「なぜこれがHSPに響くのか」を言語化して紹介しています。
同じアニメでも、HSPの目線からどう見えるかは少し違う。
「HSPの人向け」と明記されている作品はほとんどない。でも、HSPの目線で見ると「これは私の話だ」と感じる瞬間がある作品というのは、確かに存在する。
今回選んだ5本は、その感覚がはっきりある作品を中心に選びました。
「アニメにHSPを求めなくてもいいじゃないか」という意見もあると思う。でも休職中って、「わかってもらえる感覚」がことのほか大切で、そのキャラクターから受け取れる共感が回復の支えになることもあると思っています。
刺激が少ない・1話が短い・HSPの気質に重なる——この3つで選んでいます。
「刺激が少ない=おもしろくない」ではないので、安心してください。
おすすめ①:サイレントウィッチ|魔術使いの主人公のHSPアニメ


放送時期: 2024年秋アニメ
1話の長さ: 24分
話数: 全13話
視聴できる場所: Amazon Prime Video/Netflixほか(※執筆時点の情報です)
刺激レベル: 低め
どんな作品?
主人公は、魔術学校に通う少女・モニカ。彼女は天才魔術師として名を馳せているけれど、実はひどい人見知りで、人前に出るのが大の苦手。(この時点でもう共感しちゃう人もいると思う。)
そんな彼女が「無詠唱魔術」——つまり、声に出さなくても魔法が使えるようになった理由が、「人前で呪文を唱えなくて済むため」というのがこの作品の核心です。
有能に見られているけれど、内心はずっといっぱいいっぱいだった。誰かに頼られるのは怖い。でも断ることも苦手。そうやってなんとか乗り切っている——そういう主人公です。
どうでしょうか、この時点で主人公に感情移入する人も多いのではないでしょうか。
ファンタジー世界が舞台なので、バトルシーンもありますが、基本的に穏やかな雰囲気で進みます。学校生活の人間関係が中心で、ドロドロした対立よりも「モニカがどう立ち回るか」に焦点が当たっている。ほどよく緊張感があって飽きない、でも疲れない——そういうバランスの作品です。
HSPに刺さる理由
この作品を見たとき、「あ、これHSPの性格そのままだ」と思いました。
「人前で自分をうまく見せなきゃいけないのに、緊張してうまくできない」——だから、緊張しなくて済む方法を別ルートで開発する。 それがモニカの「無詠唱魔術」という設定なんですが。
確かに、自分が主人公だったら、「エクスペクトパトローーーナァアーーム!!」と大声で呪文唱えるの、恥ずかしすぎて無理かもしれない。笑
引っ込み思案な性格にも共感するし、苦手なことを克服するんじゃなくて、別の得意なことで強さを補うという戦略は見ていてスカッとします。
「HSPの主人公が、自分の壁と向き合っている」——それがこの作品の唯一無二の面白さです。
見て感じたこと
私がこのアニメを見たのは、休職から1年以上過ぎた頃だった。
「有能に見られているけれど、本当はいっぱいいっぱい」というモニカの姿が、休職前の自分と重なって、最初はちょっとしんどかった。「ああ、私もずっとこれをやってたんだな」って。人前でうまく見せるために、別のところで倍の力を使って、それで消耗していた。
でも見続けていると、気持ちが変わってきた。
モニカが苦手なことを「克服しなきゃ」ではなく「周りの手も借りるけど、極力、自分で別の方法で乗り越える」という選択をしているのを見て、なんか少し楽になった感覚があった。
苦手なものを無理やり克服しなくていい。別の道があっていい。「人前で呪文を唱えなくて済むように」と別の強みを磨いたモニカのように、私も苦手を補う別の方法を持っていたんだ、それでよかったんだ——そういう視点を、このアニメが静かに見せてくれた気がしました。
見終わったあとは「ぐったり」ではなく「ちょっとワクワクした」という感覚。
それがこのアニメを1番最初に選んだ理由です。
おすすめ②:違国日記|孤独を肯定してくれる物語


放送時期: 2026年1月〜3月
1話の長さ: 24分
話数: 全12話
視聴できる場所: Netflixなど各種配信サービス(※執筆時点の情報です)
刺激レベル: 低め
どんな作品?
小説家の槙生(まきお)は、自他共に認める孤独好き。社交が苦手で、人間関係に不器用で、でもそれを「問題だ」と思っていない。「人と分かり合えなくても、自分の世界を持って生きていける」という軸で動いている人です。
そんな槙生のもとへ、両親を事故で亡くした姪・朝(あさ)が引き取られてくる。全然タイプの違う二人が、一つ屋根の下でぎこちなく共存していく物語です。
号泣するような展開はなく、淡々と日常が積み重なっていく作品。
それがまた心地よくて、しんどい時に「こういう静かさ、今の私に合ってる」と思える。
この作品のいちばんのメッセージは、「わかり合えなくていい、尊重できれば十分」という言葉に集約されています。
HSPに刺さる理由
HSPの人って、「孤独でいること」に罪悪感を感じやすいと思う。一人でいたい、静かにしていたい——でもそれを「引きこもり」「社会性がない」と自分で責めてしまう。(私も周りの目も気にしちゃう)
この作品は、そういうHSPの疲れに対して「孤独は悪いことじゃない」とはっきり言ってくれます。槙生という大人が、孤独を愛しながらもちゃんと自分の世界を持って生きているのを見せてくれる。それがカッコいい。
「わかり合えなくていい」という言葉も刺さります。
職場や家族、人間関係のあちこちで「なんで伝わらないんだろう」と消耗してきたHSPにとって、わかり合うことを「ゴール」にしなくていいという視点は、斬新だけど、いいなと思った。
「尊重できれば、わかり合えなくていい」——これはHSPが人間関係で傷つく理由の多くを、別の角度から見せてくれる言葉だと思う。「なんで私の感じ方をわかってくれないんだろう」という悲しさは、「わかってほしい」という前提から来ている。でも「わかり合えなくていい、尊重できれば十分」という視点に変わると、「わかってくれた/くれなかった」で一喜一憂しなくてすむようになる。
そういう視点の転換を、このアニメは静かにくれます。
見て感じたこと
私は槙生より、朝のほうに自分を重ねていた。
いろんなことを感じ取りすぎて、感情を処理しきれないまま毎日を過ごしている——そういう朝の戸惑いが、なんか自分の休職中の状態と重なって見えた。大事な人を失ったわけじゃないけど、「ここじゃないどこかへ行きたかったのに、気づいたら行き場がなくなっていた」みたいな感覚。
槙生が朝に「わかり合えなくていい。ただそこにいていい」というメッセージを、言葉じゃなくて行動で見せてくれる場面がある。あの後半シーンで、「私も今は、わかってもらえなくていいのかもしれない」と思えた。
「なんでうまくできなかったんだろう」「あの職場でもっとうまくやれていたら」——そういう気持ちがぐるぐるしていた休職中に、「わかり合えなかったことを誰かのせいにしなくていい、自分のせいにしなくていい」という視点が、ちょっとだけ楽にしてくれた。
「ちゃんとしなきゃ」「早く元気にならなきゃ」というプレッシャーを、このアニメは静かに緩めてくれます。
この作品を見て、わかり合えなくていいって言ってくれる大人、ずっと欲しかった自分の気持ちに気づきました。なんでもかんでも「話し合えば解決する」って言われてきたけど、そうじゃないこともあるじゃんかって。
おすすめ③:できる猫は今日も憂鬱|職場で消耗した人へ


放送時期: 2023年秋アニメ
1話の長さ: 24分
話数: 全12話
視聴できる場所: Amazonプライム、Netflixなど(※執筆時点の情報です)
刺激レベル: 非常に低い
どんな作品?
OL・幸来(サク)は職場では几帳面で有能。でも家に帰るとズボラ女子へと崩れていく。部屋もめちゃくちゃ汚い。そんな彼女の家には、人間のように買い物に行ったり家事をしたりする巨大な猫・諭吉(ゆきち)がいる。
割烹着きて、普通にスーパーで買い出しする黒猫なんだけど、めっちゃめちゃ癒される作品。
ほとんどいい人しか出てこない、悪い人がいないのがこの作品の魅力です。職場の同僚も嫌な人じゃないし、意地悪な上司も出てこない。ただ「幸来がどうやって日々を乗り越えているか」と、諭吉との日常が静かに積み重なっていく。「悪役がいない」安心感は、刺激に敏感なHSPには本当にありがたい。
HSPに刺さる理由
「外では頑張れるのに、家に帰ると力が抜けてしまう」この感覚、あるあるじゃないでしょうか。
ご飯もコンビニ弁当でいいし、ゴミも散らかったままだし、完全にスイッチOFF。
職場では気を張って、刺激をキャッチしながら、みんなの空気を読みながら働く主人公。帰宅してドアを閉めた瞬間に糸が切れて、そのままソファから動けなくなる。やらなきゃいけないことがあるのに、体が言うことを聞かない。
幸来の「外で有能、家で崩れる」というパターンは、HSPの消耗サイクルをそのまま描いているように見える。見ていて「これ私だ」と思う人は多いんじゃないかと思う。
「外では普通にやれてたのに、なんで倒れたんだろう」と休職中に自分を責めた人がいたとしたら——この幸来の姿が、少し気持ちを楽にしてくれるかもしれない。「外でできてた」のは本当のことで、それと同時に「家で崩れる」のも本当のこと。その両方があっていいと、このアニメは見せてくれます。
そして諭吉(猫)の存在が大きい。
大きな猫が、主人公のためにご飯やお風呂、お酒を用意してくれるんだけど
この作品を見た人はみんな、こう言う。
「こんな猫、うちに来てほしい!!!!」「猫、飼いたい!!!!」と。
諭吉は幸来に何も求めない。崩れていても、うまくできなくても、ただそこにいてくれる。「無条件で受け入れてくれる存在」の描き方が、休職中の身にはじんわりくる。
「職場で消耗したHSPが、猫に癒される」——そういう作品です。
見て感じたこと
諭吉が幸来の帰りを待って、ご飯を用意していて、何も言わずそばに座っているシーン。それだけなのに、なんか泣きそうになった。帰りが遅くなったときに電話越しで「ゴロゴロ」と喉を鳴らす場面なんか、ちょっと泣いた。
「ただそこにいてくれるだけでいい」って、休職中は特にそれが欲しかったんだと思う。
頑張れという言葉も、心配される目線も、何もいらなくて——ただ、いてくれるだけで。
休職中って「心配させてごめん」「早く元気にならなきゃ」という罪悪感がつきまとう。誰かに「大丈夫?」と聞かれるたびに、少し消耗する。でも諭吉はそういうことを一切してこない。
「崩れてる幸来」を当たり前のように受け入れて、サポートして、ただそこにいる。
このアニメを見ている間は安心感と、癒しがある。「そんな君でもいいんだよ」という許可を、画面の向こうからもらえる感じ。あぁ…猫、飼いたいなぁ。
おすすめ④:リラックマとカオルさん|体力ゼロでも見られる


配信: 2019年 Netflixオリジナル(ストップモーション)(※執筆時点の情報です)
1話の長さ: 11分
話数: 全13話
刺激レベル: 非常に低い
どんな作品?
独身アラサーOLのカオルさんは、真面目で几帳面。でもその「真面目さ」が、自分へのコンプレックスにもなっている。「もっとうまくできたはず」「なんであんな失敗をしたんだろう」と、小さなことを引きずってしまうタイプ。
カオルさんのアパートにはリラックマ、コリラックマ、キイロイトリが住み着いていて、彼らの「がんばらない日常」が静かに展開される。1話11分のショートアニメ。
実写的なストップモーションアニメで、カオルさん以外は人形・ぬいぐるみのような見た目。
この独特の世界観が、現実と一歩距離を置いたような感覚をくれます。「ちょっと不思議な世界に入り込む」感じで、日常のしんどさから少し離れられる。リラックマの声が意外と低いのも、なんだか可愛い。
HSPに刺さる理由
カオルさんの「真面目すぎるゆえの自己評価の低さ」が、HSPの内面とよく重なる。
ちゃんとやっているのに「もっとできたはず」と思う。周りと比べて「自分だけ遅い」と感じる。真面目に取り組んでいるのに、それが自信につながらない——そういう感覚を、カオルさんはそのままに持っている。
そしてリラックマたちは、がんばらない。
特に急がない。いいことがあれば喜ぶし、何もなくても、ホットケーキを食べてのんびりしている。
「努力しすぎてきた人が、がんばらない姿に安心できる作品」です。
それから、1話11分という長さ。
体力ゼロのとき、「24分、見きれるかな」という不安はある。でも11分なら「1話だけ」と思って始められる。「いつでも止めていい」という心理的なハードルの低さが、休職中には本当に助かった。「見なきゃいけない」義務感が発生しにくいのも、HSPにとっては大事なポイントです。義務感が生まれると途端に楽しめなくなるから。
見て感じたこと
1話11分という長さが、休職中にどれほどありがたかったか。
「1話だけ見よう」と再生して、気づいたら3話見ていた——そういう体験が何度かあった。11分という長さは「見始められる長さ」なんだと思う。24分だと「今日はそれだけの体力があるかな」という計算が入ってしまう。「見始めて、途中で疲れたらどうしよう」という不安も出てきたりする。でも11分なら、ほぼ何も考えずに再生できる。
カオルさんが一人でホットケーキを食べているシーンとか、リラックマたちがただ縁側でぼーっとしているシーンとか、「何も起きていない」シーンがいちばん好き。何も起きなくていい。それが休職中にはちょうどよかった。
途中で、ぐうたらばかりするリラックマ達に「働いてほしい!」という喧嘩する場面があって
キイロイトリやリラックマ達が、失敗しながらも、せっせと生活費を稼ぐシーンに
思わず号泣してしまった。健気すぎて、もう、尊すぎるだろう。
カオルさんが「あーもう、なんで私こうなんだろう」とため息をついている様子にも共感するのと、それを特に気にしないリラックマたちの対比が、見ていてなんか笑える。
「あなた今日も頑張ったね」って言葉より、ただそこにいてくれる存在の気楽さ。このアニメには、休職中こそ見てほしいアニメです。
おすすめ⑤:氷の城壁|壁を作るHSPの気持ちが見える


放送時期: 2026年4月〜放送中(2026年春アニメ)
視聴できる場所: 地上波、Amazonプライム、Netflix、各種配信サービス(※執筆時点の情報です)
1話の長さ: 24分
刺激レベル: 低〜中
どんな作品?
傷つくことを恐れて、感情に壁を作る小雪。周囲に合わせることで自分を守る、適応型の美姫。親しみやすいキャラで場を和ます陽太と、1人ぼっちな人を放置できない湊。この4人のそれぞれの視点で物語が展開していきます。
注目したいのが、小雪と湊です。
対照的な二人の関係を軸に描かれる恋愛アニメですが、ほぼ青春と友情がテーマになっています。
この作品がユニークなのは、「繊細さ」の二つのパターンが可視化されているところ。
壁を作る繊細さと、馴染もうとする繊細さ。どちらも傷つきたくないから、自分なりの方法で自分を守っている。
この作品は「恋愛アニメ」と聞くとキラキラしたイメージを持つかもしれないけれど、テンポがゆっくりで感情描写が丁寧です。激しい展開はなく、二人がゆっくり距離を縮めていく過程が静かに描かれます。「刺激が少なめな恋愛アニメが見たい」という気分のときにちょうどいい。
ただ「低〜中」と書いたのは、感情的な揺れを追うシーンがある程度あるため。エネルギーが少し戻ってきた時期がベストだと思います。
HSPに刺さる理由
主人公、小雪のように「傷つくから壁を作る」という行動パターンを持つHSPは多いと思う。
感じ取りすぎるから、最初から深く関わらないようにする。失望するのが怖いから、期待しすぎない。仲良くなりそうになると、なぜかこっちから引いてしまう——そういう経験はありませんか?
小雪の行動を見ていると、「これは冷たいんじゃなくて、自分を守ってたんだ」と腑に落ちる感覚がある。HSPとしての自衛行動を「弱さ」でも「ずるさ」でもなく、過去の経験から学んだ自分を守る方法として描いてくれている。
「自分の繊細さが『キャラクター』として描かれているから、客観的に自分を見られる」——これがこの作品の一番の価値だと思っています。
刺激レベルは「低〜中」と書きましたが、感情的な対立シーンはほぼなく、基本的には静かな温度の作品です。
見て感じたこと
私は小雪と美姫、どちらにも自分を見た気がした。
場に合わせようとする部分は美姫に近くて、でも傷つくと思ったら先に距離を取ってしまうのは小雪に近い。「自衛型」と「適応型」、どちらか一方じゃなくて、その時々で使い分けていることに、このアニメを見て気づいた。
職場でも、仲良くしていた人が急に冷たくなったとき——傷つく前に「こちらから引いてしまう」ことがあった。それをずっと「私って人付き合いが下手だな」と思っていたけれど、「傷つきたくなかっただけ」という読み替えができた気がした。
「壁を作るのって、ずるいのかな」とずっとどこかで思っていたけれど、このアニメを見て少し違う視点を持てた気がする。傷つきたくなくて自分を守っていた、それだけのことなんだと。自分を責める材料だったものが、少しだけ「それでよかったんだ」に変わる体験でした。
休職中のおすすめのアニメを選ぶときに【迷ったらコレ!】
「どれを見ればいいかわからない」という人のために、回復の段階別に目安を書いておきます。
あくまで目安なので、「休職初期でも王道アニメが見たい」なら、それで全然いいと思います。これだと思う作品を自分の感覚を信じて選んでみてくださいね。
休職初期(まず刺激少なめのものを)
おすすめ:④リラックマとカオルさん
休職したばかりのころは、何かを「楽しもう」とするより、「安全に過ごせるもの」を選ぶのが大事。リラックマは刺激がほとんどなく、1話11分なので「見なきゃ」というプレッシャーがかかりにくい。
「見てもいい」というスタンスで、気が向いたときだけ再生する。見なくていい日があっても全然いい。



休職したばかりは、見たいときに短いやつから始めるのが一番です。「見なきゃ」という気持ちにならなくていい。見たい気持ちになったときだけで十分ですよ。
中期(少し物語に入れるとき)
おすすめ:③できる猫は今日も憂鬱 / ②違国日記
少し体力が戻ってきて、「物語を追う」余裕が出てきたころ。「できる猫」は気軽に見られて、「違国日記」は少しだけ深く入っていける。どちらも後味が穏やかです。
「できる猫」から始めて、「なんか物語を追えるかも」と感じたら「違国日記」に移る、というルートがおすすめ。同じくらいのしんどさのときに2本並行で見ていくのもいい。「今日は違国日記の気分」「今日はできる猫でいいや」という選び方ができると、「選ぶ疲れ」も減ります。
回復期(ちょっと前向きになれそうなとき)
おすすめ:①サイレントウィッチ / ⑤氷の城壁
「自分のことを、もう少し俯瞰して見られるかも」と感じてきたころに。サイレントウィッチは「苦手なことを別の方法で乗り越える」視点を与えてくれる。氷の城壁は「自分がどう感じて、どう行動してきたか」を見つめ直すきっかけになる。
「回復期」とはいえ、完全に元気になってから見る必要はないです。
「ちょっと前向きな話が見たいかも」というそのくらいの感覚で十分。逆に、回復期の入口でサイレントウィッチを見て「こういう生き方でいいのかもな」と思えたら、それはかなり良いサインだと思います。



回復してきたなって感じたとき、また違うアニメが刺さるよね。「これが見たいな」と思える作品が変わってきたら、自分の状態が変わってきたサインかもしれない。
まとめ:休職中はおすすめのアニメで助けてもらおう
休職中におすすめのアニメ5本を通して、共通していることがひとつあります。
「誰かが誰かを、無条件で側にいてくれる」場面があること。
諭吉が崩れた幸来のそばにいる。槙生が朝に「わかり合わなくていい」と伝える。リラックマたちがカオルさんのうちで何もせずにのんびりしている。モニカが「苦手なことを克服しなくていい」という選択をする。小雪が壁を作ることを「ずるさではなく、自衛」として描かれる。
たぶん休職中にいちばん欲しいのは、そういう視点なんだと思う。
「あなたのままでいていい」という言葉を、言葉じゃなくて物語として見せてくれる。アニメのなかにそれを見つけて、少し息ができた、という体験が私にはありました。
アニメを見て休むことは、怠けじゃないです。
「仕事に繋がるための休み方をしなきゃ」と思っていた時期の私に言いたい——何もできない日があっていい。ただ画面を眺めているだけの日があっていい。笑えなくても、泣けなくても、ぼーっと見ているだけでいい。それも、回復の一部だと今は思っています。
5本の中から1本だけでも、あなたにとっての「安心できるアニメ」が見つかったら嬉しいです。
私もそうやって、少しずつ回復できた気がしています。



休みながら回復することって、ちゃんとした仕事ですよ。アニメを見て休むのも、そのひとつ。「だらけてる」と責めなくていいです。
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