休職中だったころ、私は平日の昼間にゲームばかりしていた。「休むのが仕事だから」と言われても、何をしたら休んだことになるのか分からなくて、気づいたらコントローラーを握っていた。
先に断っておきますが。今回の記事は「ゲームで元気になれました」という話ではないです。
休職中にゲームをして現実逃避をする。「このままで大丈夫なの?」そんな心当たりがある方に、読んでもらえたら嬉しいです。
この記事では、休職中の罪悪感のこと、好きだったゲームすら楽しめない日のこと、私がずっとやっていたスプラトゥーンのこと、そして休職中のゲームを選ぶときの5つの目安をまとめました。
ゲームに関する研究データもまとめて紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
この記事でわかること
- 誰にも責められていないのに、自分だけが自分を責めてしまう理由
- 好きだったゲームすら楽しめない日があること
- 私がずっとやっていたゲームと、その遊び方
- 休職中のゲームを選ぶときの5つの目安
- ゲームと心の元気について、研究でわかっていること・わかっていないこと
休職中、私はゲームばかりしていた【実体験】

「休職中にゲームばかりしていた」と書くと、夜中まで画面に向かっている姿を想像されるかもしれません。私の場合は遊んでいたのは平日の昼間です。世間が働いている時間に、家の中でコントローラーを握っている。この章では、その時間帯のことと、そこから出てきた罪悪感の正体について書きます。
世間が働いている時間に、家でゲームをしていた
- 経理の正社員を辞めたあと、1年ほどほとんど家から出ない時期があった
- ゲームをやっていたのは、その1年のあいだ。楽しいと思えるようになったのは、終わりのほうになってから
- 1日3時間くらい。時間帯は、だいたい平日の昼間
私は経理の仕事を5年やって、適応障害で休職して、そのまま辞めました。
休職中、ほとんど家から出ない時期があって、ゲームをやっていたのはその時です。
心から楽しいと思えるようになったのは、体調が良くなってきた後半のほうだったかな?それまでは、ただ時間が過ぎるのを待っていたようにも感じます。
当時やっていたのはスプラトゥーン3です。Nintendo Switchのソフトで、インクを撃って地面を塗り合う対戦ゲーム。ほかのタイトルには手を出していなくて、あの時期にやったゲームはこれ1本だけでした。
時間はだいたい1日3時間くらい。ゲーマーと言われるほどのプレイ時間ではないけど、私にはそれしかなかったんですよね。で、15時にお昼を食べたあとになんとなく始めて、気づいたら夕方になっている。
夜になると、映画やアニメをだらだらと見て。また次の日にはゲームをして、また映画を観る。そんなサイクルを約1年ほど過ごしてきました。
「休むのが仕事」と言われても、休み方がわからなかった
休職すると、けっこうな確率で言われる言葉があります。「今は休むのが仕事だから」。心配して言ってくれているのは分かるんです。でも、あの言葉、私にはずっと難しかったです。
だって、休職中はすごく暇だから。
寝てばかりの日もありましたが、寝れない日もあって。
ネットで調べても、何をしたら「休んだ」ことになるのか、誰も教えてくれないんですよね。散歩をすればいいのか、本を読めばいいのか、ただ寝ていればいいのか。調べて出てくるのは「規則正しい生活を」「日光を浴びましょう」みたいな話で、どれも正しいんだけど、「それで本当に良くなるの?」と疑っていました。
かといって、何もしないで座っていると、頭のほうが勝手に働き出します。会社のこと、お金のこと、これからのこと。止まっている時間ほど、考えごとが濃くなっていく。
「平日の昼間に何やってるんだ」と、自分に言っていた
遊んでいるあいだ、頭の中ではずっと同じ言葉が鳴っていました。
「平日の昼間に何やってるんだ。」
これ、誰かに言われたワケじゃあないです。全部、自分が自分に向けて言っていた言葉です。画面の中ではゲームで色を塗っているのに、頭の片隅では自分の採点が続いている感じ。
もうひとつ、ずっと消えなかったのが「時間を無駄にしている感じ」です。楽しいかどうかとは別のところで、この3時間は取り返しがつかないんじゃないか、という感覚がずっとあった。
誰にも責められていないのに、責められている気がした
当時から一人暮らしだった、ということもあり
家族や周りの人から、ゲームのことで何か言われた出来事はない。「いつまでやってるの」も「そろそろ働いたら」も、言われていない。そもそも人と会おうとしなかったです。今の自分の状態を否定されるような気がして。
だけど、ずっと誰かに責められている気がしていました。
ネットニュースのコメント欄で「休職せず転職した方が良い」「無敵な人って怖いよね」無意識に拾ってしまう。
たぶん自分も世間からこう思われてる、という想像だけが、勝手に育っていく感じでした。
結局、私の場合は、責めていたのは自分だけでした。
休職中がしんどい理由って、自分自身と向き合う時間がたっぷりあることだと思ってます。悪く言うと、余計なことまで考えてしまう時間がある。
もし今、誰にも責められていないのに苦しいという方がいたら、それはわがままでもないと思います。私も同じでした。誰も言っていない言葉を、無意識で拾ってしまうほど時間が余っているのかも。
YODAKA「休むのが仕事」って言われても、何をしたら「休んだ」ことになるのか、分からないよね。
休職中、好きだったゲームすら楽しめなくなる日
意外と思うかもしれないですが、好きだったはずのゲームが、楽しくなくなるという状態です。休んでいるのに楽しめない、遊んでいるのに面白くない。この章では、その感じについて書きます。私自身にも、同じソフトなのに何も感じない時期がありました。うまく励ませない章になりますが、そのまま書きます。
ゲームができない日と、やってはいるのに楽しくない日
私の場合は、「やってはいるのに、楽しくない」でした。引きこもっていた1年の前半から中盤にかけて、大好きなスプラトゥーンをやっていたはずなのに、面白いと思えていなかったんです。
ただゲームをこなすだけ、って感じ。
勝ってもうれしくない。負けても悔しくない。手は動いていて、画面も進んでいるのに、達成感とかどこにもありませんでした。
楽しくなったのは、終盤に入ってからです。だから私の場合は、元気が戻ってきたからゲームが楽しくなった、という順番でした。※ゲームをしたから元気になったワケじゃないです。
「楽しめない」のは、性格の問題ではないかもしれない
楽しめないと、たいてい自分のせいにします。飽きっぽくなったとか、感受性が鈍ったとか、心が汚れたとか。私も、そのあたりを一通り疑いました。
厚生労働省が運営している「こころの耳」というサイトに、うつ病の主な症状として、こんな一文があります。
通常なら楽しかったようなことでも、楽しみや喜びを感じなくなります。何をしていても憂うつな気分を感じてしまいます。
出典:こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「2 うつ病の主な症状と原因」
楽しめないこと自体が、状態のひとつとして挙げられているんですよね。
もちろん、これを読んで「じゃあ私はうつ病だ」と決めるのはちがいます。楽しめない理由なんて、疲れているとか、睡眠が足りていないとか、ほかにもたくさんあります。ただ、「性格が悪くなった」以外の可能性がちゃんと存在する、というのは知っておいていいと思いました。
好きだったものが楽しめない日があっても、それだけで「自分がダメになった」ということにはならないと思います。気になる状態が続くときは、自己判断より主治医に相談するほうが早いです。
同じことを検索している人がいる
Googleの検索窓に「うつ病 ゲーム」と入れると、続きの候補がずらっと出てきます。2026年9月3日に調べたときは、こんな並びでした。
- うつ病 ゲームばかり している 知恵袋
- うつ病 ゲーム おすすめ
- うつ病 ゲーム依存
- うつ病 ゲーム 楽しくない
- うつ病 ゲームばかり
- うつ病 ゲーム おすすめ スマホ
- うつ病 ゲーム 課金
- うつ病 ゲーム できない
- 鬱病 ゲームできる
「楽しくない」と「できない」が、両方入っています。
ここで言いたいのは、悩んでいるのは自分ひとりではないということ。
大人がゲームしてるってだけで世間から変な目で見られる場合もあります。なのでゲームが楽しくなくなった、という悩みは人に相談しづらい。だからこうやって、検索する人が多いのかなって思ってます。悩みを気軽に吐き出せる場所がもっとあったら良いのになぁと、この記事を書いていて強く願ってます。
楽しめない日は、ゲームを消化ノルマにしない
なんとなく、今日はゲームは楽しめないなって日は以下のことを試してみて欲しいです。
- デイリーミッションを追わない
- ログインボーナスのためだけに起動しない
- 「今日はここまでやる」はスルーしてみて
- 起動して、そのまま閉じてもいいことにしておく
楽しくないのに続けてしまう理由は、ゲーム自体の仕組みにあります。体調が落ちている日ほど、今日のミッションや連続ログインが義務に見えてくるので。それを一旦リセットする策です。
起動して、ホーム画面を眺めて、そのまま消す。
「もったいない!」気持ちは多少あるけど、本当の勿体無さはゲーム自体を楽しめないことではないか?
どうせゲームをやるならコンディションが良い日に。



好きだったものが楽しくないと、余計に落ち込みますよね。「これも楽しめないなら、私はもう何なら楽しめるの」って、そっちまで考えちゃう
ゲームに飽きた!という方には、こちらも置いておきます


休職中におすすめのゲームは癒し系??


休職中のゲームについて調べると、だいたい同じ方向の答えが返ってきます。静かなもの、争いのないもの、物語の重くないもの。たしかにそうだと思います。私も、人にすすめるならそっちがおすすめと言うでしょう。ただ、好きなゲームの方が気分的にも良いように感じます。その理由をここでご紹介します。
休職中は「静かなゲーム」がいい、と言われている
Yahoo!知恵袋に、こんな質問があります。「うつ病の休職中にプレイすべきおすすめのゲームを教えてください。PS5で心が休まるゲームを教えて下さい」。2025年4月12日の投稿です。
ベストアンサーに選ばれていたのは、テトリスのような、登場人物なし・ストーリーなしの単純なゲーム、という答えでした。
出典:Yahoo!知恵袋「うつ病の休職中にプレイすべきおすすめのゲームを教えてください。PS5で心が休まるゲームを教えて下さい」
クリニックやリワークの事業者が書いている「休職中の過ごし方」の記事も、だいたい似た方向です。刺激を減らして、静かに過ごしましょう、と。
これ、私は否定しません。むしろ正しいと思います。物語のあるゲームは登場人物の感情まで引き受けてしまうし、疲れているときに人の不幸を見せられるのは、かなりこたえます。
そのうえで、私はそっちを選びませんでした。
知らない人と、話さずに、一緒にいた
色々、ゲームを試した結果
1人で没頭するゲームは孤独感を感じ、協力プレイで孤独を紛らわすものが自分には合っていました。
スプラトゥーンは、ずっと野良でやっていました。野良というのは、フレンドと組まずに、その場で自動的に集められた人たちとチームになる遊び方です。その場限りの関係で、フレンドと一緒に遊んだことは、1回もありません。
そして、誰とも話していません。笑
スプラトゥーン3には、ゲーム本体にボイスチャットの機能がありません。声で話したい場合はスマホのアプリを使うことになっていて、そちらはSwitchでフレンドになっている相手としか通話できない仕組みです。Nintendo Switch 2のゲームチャットも同じで、任天堂のサポートページには「フレンドとチャットができる機能」と書かれています。
出典:Nintendo Switch 2 サポート「ゲームチャットでできること」/Nintendo Switch サポート情報「『Nintendo Switch App』アプリ」
なので、野良で遊んでいるかぎり、同じチームの3人とも、相手チームの4人とも、一言も交わさないまま試合が終わります。それが妙に心地よかったんですよね。
画面の中には、自分を入れて8人います。全員が同じ場所で動いていて、味方の位置も分かるし、助けられたり、助けたりもする。それなのに、誰も何もしゃべりません。
画面の前には人がいるのになんか不思議な感じ。
人と関わってはいる。でも、会話は発生しない。名前も、年齢も、その人が今日どんな一日だったのかも、こちらは何も知らない。向こうも私のことを何も知らない。知らないまま、3分だけ同じ場所にいる。
この絶妙な距離感が、孤独感を和らげてくれたように感じます。
好きなゲームほど時間を忘れられる。
まず、単純に、色を塗るのが楽しかったです。
地面がインクで埋まっていくのを見ているだけで気持ちいい。うまくなろうとか、勝とうとかより先に、塗るという動作そのものが楽しかった。
もうひとつが、時間を忘れられることでした。3分の試合をくり返していると、そのあいだだけ、頭の中の考えごとが止まります。会社のことも、これからのことも。
現実から少しだけ離れられる時間は、貴重だと思います。
これがもし、癒し系やテトリスのような単純ゲームだったら、やっぱり自分は色々考えてしまってた。この経験を通じて言えることは、人におすすめされるゲームをするんじゃなくて、自分の好きなゲームをする方が良いんじゃないかなって思うんです。
それが対戦系や重たいテーマのものだったとしても、頭を空っぽにして現実から少しだけ距離を置く。そんな時間も大切だったと、休職を得て私は実感しました。
休職中のゲームを選ぶときのポイント!


ここまで、私が1本のゲームで感じたことを書いてきました。ただ、スプラトゥーンをおすすめしたいわけではありません。音も光もにぎやかだし、対戦だし、万人向けではまったくないので。いま手元にあるソフトが今の自分に合っているかどうかを、自分で判定できる5つの目安にしました。
ゲーム中心の生活にならないための選び方も書いてあるので参考にしてみて欲しいです。
休職中のゲームを選ぶ、5つの目安
- 人と関わるけれど、話さなくていいゲームか
- 1回が、集中力の続く長さで終わるか
- 負けたときに、失うものがあるか
- 音と光が、強すぎないか
- 達成ミッションがあるかないか
人と関わるけれど、話さなくていいゲーム
人と関わるけど、話さなくても良いゲームがおすすめです。
ボイスチャットが必須かどうか。チャット欄があるかどうか。協力プレイで、味方との意思疎通を求められるかどうか。ゲームを選ぶときにまずはチェックして欲しい部分です。
特に、人と関わりたいのに話したくない、という状態のときは、この条件は必須にしても良いかなと。
声を出さないと成立しないゲームは、遊ぶ前に「コミュニケーション取るけど大丈夫そう?」と、自分が判断しないといけません。良い人に当たればいいんですが、攻撃な人に「何やってるんだ!」と言われる可能性もあります。
逆に、その場所にいるだけで成立するゲームなら、体調がどうであっても入っていけます。仮にゲームで失敗したとしても、誰にも責められません。「また次の対戦で頑張ればいっか!」と切り替えがしやすいです。
1回が、集中力の続く長さで終わるか
1試合、1ステージ、1話。そのゲームの最小単位がどれくらいの長さか?
数分で終わるものと、1章クリアまで2時間かかるものでは、必要な体力がまるでちがいます。
見たいのは「途中でセーブできるか」より、区切りが向こうから来るかどうかのほうです。
セーブできるゲームでも、やめどきを自分で決めなきゃいけないなら、判断の負担はそのまま残るので。疲れている日ほど、短い区切りが来るほうが、ゲーム依存しにくいです。
終わりのない、正解のない、育成ゲームや開発系には要注意です。
負けたときに、失うものがあるか
ランク、レート、連勝記録、アイテムのロスト。負けたときに減るものがあるかどうか。
減るものがあるルールは、うまくいっている時期には面白さになります。緊張感があるから燃えるんだと思います。でも、しんどい日には、それがそのまま「失敗できない」に変わってしまうことがあります。
負けても支障がないゲームがおすすめです!
音と光が、強すぎないか
音量、効果音の派手さ、画面の点滅。
でもここは、人によるところだと思います。音や光がしんどい日がある繊細さんだと、5つの中でここがいちばん効くかもしれません。音が刺さる日は本当に刺さるので、記事の目安より自分の感覚のほうを信じてください。
音を小さくする、スピーカーからヘッドホンに変える(あるいはその逆にする)、思い切って音を消してやってみる。ソフトを変えなくても自分で工夫できます。
私はピカピカした画面が苦手なので明るさを少し暗くして、その代わり部屋を明るく調整してやっています。
達成ミッションがあるかないか
ログインボーナス、デイリーミッション、期間限定イベント。
この3つがあるゲームは、終わりが向こうから来ません。
毎日やらないと損をする設計になっているので、休んでいる時期に始めると、ゲーム中心の生活になる可能性があります。私はこういうのに弱いので、最初からミッションが少ない作品を選ぶように意識していました。
毎日1回無料のガチャが引ける系のゲームは、注意したほうが良いかなと。
ゲームに飽きたら、映画を観るのもおすすめです。


印刷して使いたい方へ


本文の「5つの目安」を、丸をつけるだけで確認できるチェックシートにしました。A4で1枚です。
印刷用チェックシートをダウンロードする(PDF・A4 1枚)
ゲームでなくても大丈夫です。いま時間を使っているものに置き換えて、丸をつけてみてください。
ゲームと心の元気、研究でわかっていること・いないこと
ここまでは私の話でした。では、ゲームと心の元気の関係は、研究のほうではどう言われているのか。調べてみたら、思っていたより歯切れの悪い結果でした。都合のいいほうだけ引いて終わらせたくないので、両方書きます。
「遊んだ時間が長い人ほど幸福感が高い」という研究があった
オックスフォード大学のインターネット研究所が、2020年11月にRoyal Society Open Scienceという学術誌で発表した研究があります。
調べたのは、『あつまれ どうぶつの森』のプレイヤー2,756人と、『Plants vs. Zombies: Battle for Neighborville』のプレイヤー518人、あわせて3,274人。この研究がそれまでとちがったのは、「何時間遊びましたか」という自己申告に頼らず、ゲーム会社から提供された実際のプレイ時間データを使ったところでした。
結果は、プレイ時間が長い人ほど幸福感が高いという方向。ただし、関係の大きさは小さいものでした。
そして研究チーム自身が言っているのは、時間の長さより、遊んでいるあいだにどう感じていたか(楽しめていたか、自分で選べていたか)のほうが大きい、という話でした。
出典:Oxford Internet Institute「Groundbreaking new study says time spent playing video games can be good for your wellbeing」(2020年11月)
同じチームが、2年後に「因果関係はほとんどない」と発表した
話はここで終わりません。
同じ研究チームが2022年、同じ学術誌で、規模をぐっと大きくした再検証を発表しています。
今度は約39,000人。7つのゲームタイトルについて、6週間分の実際のプレイ時間データと、本人が答えた幸福感を突き合わせました。
結果は、プレイ時間と幸福感のあいだに因果関係を示す証拠はほとんど見つからなかった、というものです。影響があったとしても、本人が気づけるほどの大きさではないだろう、とも書かれています。
出典:Oxford Internet Institute「Major new study finds little evidence for causal connection between well-being and video game playing」(2022年7月)
なので、この記事で「ゲームをすれば元気になります」とは書けません。だって書いたら嘘になりますから。
ただ、この2本を並べて分かることもあります。
ゲーム時間の長さは幸福感と因果関係がないと言うこと。大切なのは、ゲームをどう遊んでいるかのほうだった
自分たちが出した結果を、自分たちで修正した研究がある、というのはけっこう大事なことだと思います。都合のいい2020年のほうだけを引いている記事も、実際に見かけます。



だからこそ、ゲーム選びが一番大切だということが言えます。
ゲームの依存サインは、どこにあるのか
ここは注意の話です。公益社団法人 日本精神神経学会のページに、「ゲーム行動症」についての解説があります。診断で見られるのは、大きく4つでした。
- ゲームをコントロールできないこと
- 生活の中でゲームの優先度が非常に高くなっていること
- ゲームによって、学業・仕事・家庭生活などに明確な問題や健康問題が起きていること
- 問題が起きているのに、ゲームを続ける、またはエスカレートさせていること
そのうえで、こう書かれています。ゲーム行動が長期(例えば12か月)続いている必要があるが、症状と影響が深刻な場合はそれより短くても診断できる、と。
同じページには、2019年の調査で、10〜29歳のうちゲーム行動症の疑いがある人が男性7.6%・女性2.5%・全体5.1%だった、という数字も出ています。10〜29歳を対象にした調査なので、そのままどの年代にも当てはめられる数字ではありません。
出典:公益社団法人 日本精神神経学会「樋口進先生に「ゲーム行動症」を訊く」
休んで数か月のあいだ遊ぶ時間が増えた、というだけでこれに当てはまるわけではありません。ただ、生活や体調のほうに問題が出ていて、それでもゲーム中心の生活で、止まらない感じがあるときは、主治医や専門の相談窓口に話してみると良いでしょう。
私が決めていたのは、「やめる時間」ではなく「目的」でした
休職中のゲームについて調べると、「1日◯時間まで」という助言をよく見ます。
あれ、私にはまったく効きませんでした。
そもそも、時間を忘れられるのが良かったんです。時計を見ないでいられること自体が目的みたいなものだったので、時計で区切るという発想と、根っこのところで噛み合っていませんでした。
オックスフォードの研究が言っていた「時間の長さより、どう遊ぶか」というのは、たぶんこういう部分の話なんだろうな、と今は思っています。長さで管理しようとすると、休んでいる人にいちばん難しいことを要求することになりますし。(長時間ゲームをやっても良いって話ではないです)
ちなみに、これで休職中の罪悪感が減ったかというと、減っていません。
頭を空っぽにする、という目的であればゲームで達成したのかなって感じます。



「1日2時間まで」って決めても、私は守れませんでした。守れる人だったら、たぶん休職してないのでは?
休職中のゲームについて、よくある質問
休職中のゲームについて、私自身がずっと引っかかっていたこと、それから家族の側から検索されていそうなことを3つ並べました。答えはどれも、私の場合はこうだった、という範囲の話です。必ずしも全員が当てはまるワケではないと言っておきます。
Q1:そもそも、休職中にゲームをしていいの?
いちばん最初に引っかかるところだと思います。私も気になっていました。
一般には、休職中の過ごし方に細かい決まりがあるわけではない、と言われています。ただ、会社によって就業規則の書き方はちがいますし、休職の理由や主治医の方針によっても変わります。療養に専念すること、という一文が入っている会社もあります。
なので、「大丈夫です」とここで言い切ることはできません。心配なら、主治医に「こういう過ごし方をしているんですが」と話してみるのがいちばん確実です。
※この記事は私個人の体験です。休職中の過ごし方は、会社の規定や体調によって変わります。判断に迷うときは、主治医や会社の担当者にご相談ください。
Q2:家族が休職中で、一日中ゲームをしています。やめさせたほうがいい?
Yahoo!知恵袋に、「休職中のうつ病の夫が毎日ゲーム三昧です」という質問が実際にあります。家族の側から検索してこの記事に辿り着いた人もいるでしょう。
出典:Yahoo!知恵袋「休職中のうつ病の夫が毎日ゲーム三昧です」
やめさせたほうがいいかどうかは、私には答えられません。
状況も、関係も、家によってちがいすぎるので。
渡せるとしたら、当事者側から見た景色のほうです。何も言われていなくても、本人はもう自分を責めている可能性があります。私がそうでした。
誰にも責められていないのに、平日の昼間に何やってるんだ、とずっと自分に言っていました。
言葉が届く前に、本人の中では「そんなの自分が一番わかってるよ!」と自覚している場合もあります。そこだけ知っておいてもらえたら、と思います。
Q3:ゲームをすると昼夜逆転しませんか?
私の場合は、ゲームが原因で昼夜逆転したわけではありませんでした。遊んでいたのが平日の昼間だったからです。
昼夜逆転していたころのことは、こちらに書いています


ただ、夜中にやるゲームなら話は変わってくると思います。時間帯のほうを先に決めておくのは、たぶん有効です。
まとめ|休職中のゲームに、罪悪感があってもいい
休職中、ゲームのおかげで元気になったわけではありません。元気が戻ってからゲームが楽しくなった、という順番でしたし、罪悪感も最後まで消えませんでした。それでも、現実から少しだけ離れられる時間があったから、あの時期を渡りきれたんだと思っています。
もし今、平日の昼間にコントローラーを握っていて、うしろめたいという方がいたら。責めているのが自分だけなのかどうか、一度だけ確認してみてほしいです。誰かに言われたのか、それとも自分が言っているのか。もし自分だけだったら、その力は少しゆるめてもいいのかもしれません。
罪悪感は、たぶんすぐには消えません。
だけど、この気持ちが消えないまま、画面に集中するときがあってもいいと思います。
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相談先の例:厚生労働省「こころの耳」(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)









