「休んでいい」と言われても、何もせずに過ごしていると、どこか落ち着かない。
休職したばかりの私は、まさにそんな状態でした。
じっとしていることに罪悪感があって、「気晴らしをしたほうがいい」「人と会ったほうがいい」「何かしなきゃ」と、良かれと思っていろいろなことをしていました。
旅行、実家への帰省、友人との付き合い、SNS、映画…。
いろいろ動いた結果、あとになって「休職中の自分には、やらないほうがよかったかもしれない」と思うこともありました。以前、「休職中にゲームばかりしていた罪悪感」という記事を書きましたが、今振り返ると、ゲームはむしろやってよかったことの一つでした。
「休職中にゲームばかりしていた罪悪感」の話はこちら

今回は、私が休職中に実際にやってみて後悔した7つの行動と失敗談について赤裸々に書きました。
YODAKAこの記事でいう「やってはいけないこと」は、休職している人全員に当てはまる禁止事項ではありません。あくまで私自身の体験です。「これは自分にも当てはまりそう」と思うところだけ、参考にしてもらえたらと思います。
休職中に外出して疲れてしまった3つの行動
休職したばかりの頃は、家に閉じこもっていることにも不安がありました。
「外の空気を吸ったほうが気分転換になるかも」
「人と会えば元気になれるかも」
そんなふうに考えて、積極的に外へ出ようとしていました。でも実際には、良かれと思って出かけた先で、余計に疲れて帰ってくることが何度もありました。
1.旅行に行って、疲れて帰ってきた


休職中、「せっかく時間があるんだから、旅行でもしたら気分転換になるかも」と思ったことがあります。
仕事をしているときは、まとまった休みを取るのが難しい。だからこそ、休職という状況を利用して、近場でも良いからどこかへ出かけようとしました。
日帰りの旅行中は、それなりに楽しい瞬間もあった。きれいな景色を見たり、おいしいものを食べたり、「来てよかった」と思うこともありました。ソロだから行動しやすいし、何より平日の料金が安くて嬉しい。
でも、家に帰ってきたときに感じたのは、思っていた以上の疲労感でした。
移動するだけでも体力を使います。人が多い場所では周囲にも気を遣いますし、帰宅後の洗濯、荷物整理にもぐったり。普段とは違う環境にいるだけでも、知らないうちに神経を使っていたのだと思います。
今振り返ると、休職初期の私は、旅行を楽しめるほど回復していなかったのだと感じます。普段の旅行では気にしないこと、例えば高速バスの時間、お金の心配をしたり、仕事のことがふと頭によぎることも。
旅行そのものが悪かったわけではないけど、今じゃない。そう思った。
今の私なら、休職初期に旅行を計画する前に、「今の自分は本当に楽しめそうか?」を考えます。帰宅後に何もできないほど疲れそうなら、近所を散歩するくらいにしておくと思います。
2.実家に帰って落ち込んだ


休職中、久しぶりに実家に帰省したことがあります。
その頃の私は一人暮らしをしていましたが、食事や洗濯、掃除、お風呂に入ることさえ億劫になっていました。生活を一人で回すことが難しくなり、実家に頼るしかない状態だったのです。あと、1人でいるよりも家族に会えば、安心できるような気がする。
実際に実家へ帰ってみると、思いがけないところで心が沈みました。
「前よりも、親の身体が不自由になっている」
具体的にいうと、階段を上るのが以前より大変そうだった、歩く速度が遅くなっていた。
もちろん、親のせいではないし自然な老化現象だとは思っていたけれど。元気な時だった親を見ていたから、受け止めきれない自分がいたのも事実です。実家に頼ろうとした自分が恥ずかしくなった。心配をかけたくなくて結局、休職していることは伝えずに「仕事、頑張ってるよ」とだけ伝えました。
その日の夜は、
「親も年を取っていくんだな」「この先、何年一緒にいられるんだろう」
そんなことを考え始めると、どんどん気持ちが沈んでいきました。
自分は仕事も、家事も何もできていない。この先どうなるのかも分からない。
そんな状態で親の老いを目の前にすると、「自分は何をしているんだろう」と、余計に自分を責める方向へ気持ちが向いてしまいました。
もちろん、実家に帰れば安心できる人もたくさんいると思います。家族との関係が良好で、実家に帰ることで心が休まる人もいるでしょう。「休職中は実家に帰らないほうがいい」という話ではなく。
私の場合は、そのときの心の状態と実家に帰ったタイミングが合わなかったのだと思います。心当たりがある人は、実家に帰るタイミングを考えてみても良いかなと思います。
「親に会いたいから帰る」と「自分を休ませるために帰る」は、少し違うと感じます。
当時はその違いが分からず、「帰れば少し元気になるはず」と思っていました。休職中は普段なら気にならないことまで大きく感じることがあります。家族に会うことが休息になる人もいれば、逆に心が疲れてしまう人もいる。
3.友人に会って、無意識に比較してしまった


昔から関係のある、友人に会ったこともあります。
これも、「人と話したほうが気分転換になるだろう」と思ったからです。
友人は普通に接してくれましたし、別に嫌なことを言われたわけでもない。楽しかったはずなのに帰宅したあと、気持ちが沈みました。
自分でも気づかないうちに、友人と自分を比較していたのです。
- 仕事をしている友人。
- 楽しそうに毎日を過ごしている友人。
- 結婚の予定を話している友人。
その隣で、自分は仕事を休んでいる。頭では「人と自分を比べても仕方がない」と分かっているのに、当時はどうしても比べてしまいました。時間が余っているから、無意識に考えてしまうのかもしれない。
もちろん、友人が悪いわけではない。当時の私はまだ人と自分を比べられるほど心に余裕がなかったのだと思います。じゃあ上手くいっていない友人だったら良いのか?という話ではなく。自分の体調が悪い日こそ、無理して会わなくても良いのではないか?と今なら思う。
私のように帰宅したあと「1人反省会」をする人こそ、ちょっとだけ立ち止まって考えてみると良いかも。
会う友達を選んで、休職中は、自分の状態を優先して欲しいです。
休職中に心が疲れた3つの行動
休職中にやってはいけないことは、外出だけではありません。家にいても、スマホや人とのつながりから離れられず、心が疲れていたことがあります。ここでは家で心が疲れてしまった3つの行動についてお話しします。
1.休職中にニュースを見て、落ち込んでいた


休職初期、一日中ニュースを見ていた時期があります。
例えば「共働きは無理ゲー」「少子化このまま日本はどうなる?」「休職した人の末路」などなど。
「休職した人の末路」という言葉を検索していたのも、今思えば不安だったからです。
自分がこのまま仕事に戻れなかったらどうなるのか。退職したら人生は終わるのか。そんな答えを探すように、さらに不安になる情報を見ていました。
時間だけはたくさんあるので、スマホを触っている時間も自然と増えていました。最初はただの興味で、暇つぶしだった。でも、YouTubeを開けば、暗いニュース、仕事で成功した人や生活で苦しんでいる人の格差が目に入ります。そういう動画ばかり見ていると「自分もこうなるのか?」と不安になり寝れない。
動画に映っている人は、その人の人生の一部分にすぎません。
そんなことは分かっています。それでも、心に余裕がないときは、頭で分かっていても格差を感じてしまう。良いニュースではなくて、不安を煽るニュースを無意識に引き寄せていたのかもしれない。
もしニュースを見たあとに、「自分も頑張ろう」と前向きになれるなら、それは悪いことではないと思います。
でも、見るたびに苦しくなるなら、暗いニュースや時事ネタは観ないように意識することも大切です。
2.LINEの友達を整理した


休職中、LINEの友達を整理しました。
というのも、誰かとつながっていることそのものが、しんどくなった。
- 通知が来る。
- 返信しなければと思う。
- でも返信する気力がない。
そんな小さな負担が積み重なって、スマホを見ること自体が負担に感じる。
当時は「この人が嫌いだから」という理由ではなく、「誰とも関わりたくない」という気持ちでブロックしていました。あとでハッとしたんですが、仲のいい友人もブロックしてしまった。交流のない知り合いの友達整理をするのは賛成だけど、大切な友人との関係も断とうとした自分。
「本当に必要な人間関係を整理している」というより、「今の自分が誰とも関わりたくない」という気持ちから動いていたんだと思います。
人とのつながりがしんどいときは、関係を切ることではなく、返信を後回しにする、通知を切る、スマホから離れるなど、もう少し小さな距離の取り方でもよかった。
当時は「しんどいなら全部なくしてしまおう」と考えていました。
休職中は大きな決断を急がなくてもよかったのだと思います。
3.「死」を連想させる映画を観た


休職中に、映画『オッペンハイマー』を観たことがあります。もともと映画が好きだったので、「気になる映画をぜんぶ観よう!」と思っていました。
映画を観ることは悪いことではないけど、作品選びは慎重になった方が良かった。
「死」を連想させる映画、例えば戦争ものだったり、余命のある病気だったり。当時の私には刺激が強かったように感じます。観た後も主人公に感情移入をして、数日間、暗い気持ちになってしまった。
普段なら作品として受け止められるテーマでも、そのときは重く感じてしまいました。
自分でも思っていた以上に心が敏感になっていたのだと思います。
その日の気分や体調に合わせて作品、テーマを選ぶことは大切です。
以前、「休職中に観てよかった映画」についても書いています。そちらでは「どんな映画を選ぶとよかったか」という視点で紹介しているので、興味がある方は参考にしてみてくださいね。


休職中にやってはいけない、自己判断で薬をやめてしまったこと


先に言っておくと、これは私の体験談で医学的な助言ではありません。服薬・通院に関する判断は、必ず主治医に相談してください。
休職中に、自己判断で薬をやめてしまったことがあります。
今思うと「何やってんだ!自分!!」と怒りたくなる事案です。その時の自分は、早く体調を戻したくて「薬に頼りたくない!」と強く思っていました。
だから、気分が以前より安定してきた。少しずつ普通の生活ができるようになってきた。
「もう大丈夫なんじゃないか」そんな気持ちが出てきました。
そして私は、主治医に相談する前に、「もう薬を飲まなくてもいいのでは」と自己判断で服用をやめた。
自己判断でやめた結果、どうなったか
薬をやめていた期間は、約1か月でした。
その間に、まず頭痛の症状が出ました。
そして気持ちの面でも、「やっぱり飲んでおいたほうがよかったのかな」という不安が出てきました。
ただ、これはあくまで私自身に起きたことです。薬をやめたら必ず同じことが起こる、という意味ではありません。薬の種類や量、体調、治療経過などによっても違うと思います。だからこそ、服薬については自分だけで判断するのではなく、主治医に相談することが大切だと、私は自分の経験から感じました。
通院・服薬の相談は、必ず医師に
最終的には、私は自分が薬をやめていたことを主治医に正直に伝えました。
怒られるのではないかと思って、少し言いにくかったのを覚えています。でも、きちんと話して相談できたことで、その後の対応を一緒に考えてもらうことができました。
私の場合は、そこから薬を少しずつ再開することになりました。「勝手にやめてしまった」と隠し続けるより、正直に話してよかったと思っています。
繰り返しになりますが、これは私自身の体験談です。
薬を減らす・やめる・再開するなどの判断は、自己判断で行わず、必ず主治医に相談してください。
7つに共通していたのは、「早く元に戻らなきゃ」という焦りだった
ここまで休職中にやってはいけない7つのことを書いてきました。
- 旅行に行った。
- 実家に帰った。
- 友人に会った。
- 暗いニュースを見た。
- LINEを整理した。
- 刺激の強い映画を観た。
- 薬を自己判断でやめた。
一見すると、全部バラバラの出来事です。ただ、共通していたものがありました。それは、「早く元に戻らなきゃ」という焦りです。休職している自分を、そのまま受け入れることができませんでした。
何もしていないと不安になる。休んでいるだけではいけない気がする。早く仕事に戻らなければ。早く普通の生活に戻らなければ。そんな気持ちがあったから、何かしら行動していました。
休職中の自分に必要だったのは、「元に戻るために頑張ること」だけではなかったんだと気づきました。
頑張りすぎて、休職の意味を見失いそうになった
休職しているのに、「何かしなきゃ」「せっかく時間があるんだから」と考えてしまう。
そうすると、休むための時間だったはずなのに、いつの間にか「何を達成したか」で自分を評価する時間になってしまいます。
- 資格の勉強をした。
- 外出した。
- 本を読んだ。
- 運動した。
それなら自分は偉い。
逆に、何もしなかった日はダメ。そんなふうに考えていました。
自分で自分に鎖をかけるような状態では、休職していても心が休まりません。
生活リズムの乱れも、必要以上に責めなくてよかった
休職中は生活リズムもかなり乱れました。
昼夜逆転してしまった時期もあります。
当時は、それだけで「ちゃんと生活できていない」と自分を責めていました。もちろん、生活リズムを整えることが役立つ場合もあります。でも、できない日があるからといって、そのたびに自分を責める必要まではなかったのだと。
「今日はこういう日」くらいで、ラフに考えるといいと思います!
生活リズムを戻していった話はこちらにまとめています


休職している人に伝えたいメッセージ
休職中は、元の自分に戻ろうとして焦ってしまう事があると思います。私はそんな焦りから、自分を追い込んでしまって、回復が遅れてしまった経験をしました。
だからこそ、何もしないことをまず自分に許して欲しいなって思います。
休職中は時間があるから、将来の事や仕事のこと、色んな事を考えてしまう日もあります。考えてしまうのは全然悪くない。けれど、それを自分の中に留めておくんじゃなくて紙に書いて吐き出すことも大事だと私は思いました。
不安や心配、お金のこと、考えないっていうのは難しいから、感情を紙にそのまま書いてみてほしい。
私は1年休職して、そのまま退職してしまったけれど、休職したことも退職したことも、後悔はしていません。冷静に、自分の働き方を見直す期間になったから。
私の場合は、休職して一度立ち止まったことで、その後の働き方を考え直すきっかけになりました。
休めるときにきちんと休んで、必要ならば病院にも相談して、頑張らない自分を認めてあげてみてください。
休職中にやってはいけないことについて、よくある質問
旅行や帰省は絶対にダメ?
絶対にダメということではありません。
旅行や帰省が気分転換になったり、家族と過ごすことで安心できたりする人もいると思います。
ただ、私の場合は休職初期の体力や気力が十分ではなく、旅行や帰省によって疲れてしまいました。
「行きたい」と思えるのか、「行かなければ」と思っているのか。
そこを一度考えてみてもいいかもしれません。
ニュースは見ないほうがいい?
ニュースを見ること自体が悪いわけではありません。
私の場合は、暗いニュースや格差を感じる動画を見て、不安になったり落ち込んでしまいました。
見たあとに「自分も頑張ろう」と前向きになれるなら、問題ないかもしれません。
逆に、見るたびに苦しくなったり、自分を責めたりするのであれば、一度距離を置くのも一つの方法だと思います。
薬は自分の判断で減らしてもいい?
私は自己判断で薬をやめてしまった経験がありますが、服薬量を減らす・やめるといった判断は、自分だけで決めないほうがいいと思います。
薬のことについて不安や疑問があるなら、主治医に相談してください。
私自身も、最終的には主治医に正直に話して相談することで、その後の対応を決めることができました。
結局、休職中は何をすればいいの?
私の場合は、「何をするか」よりも「何をすると自分が疲れるのか」を知ることのほうが大切でした。
休職中にやってよかったことは別の記事でも紹介しています。
「何かしなきゃ」と焦っているときほど、自分を回復させることを優先していいと思います。


「振り返りシート」で、自分にも当てはまるか確認する
ここまで読んで、自分にも当てはまりそうな行動があった方向けに、振り返りシートを作りました。7つの行動を書き出して、チェックが付いたものだけ、自分の場合はどうだったかを書いてみる形です。ノートとペンだけあれば、この場でも始められます。
まずはチェックだけ
7つのうち、やったことがあるものにチェックを付けます。後悔しているかどうかは関係ありません。
- 旅行に行って、疲れて帰ってきた
- 実家に帰って、年老いた親を見て落ち込んだ
- 友人に会って、無意識に比較してしまった
- 暗いニュースを見て、不安になった
- LINEの友達を整理した
- 「死」を連想させる映画や作品を観た
- 自己判断で、薬を減らす・やめる判断をした
1つもチェックが付かなければ、それで大丈夫です。
チェックが付いたら、ひとつだけ振り返る
全部を振り返る必要はありません。いちばん気になる1つだけ選んで、「どんな場面だったか」「早く元に戻らなきゃという気持ちがあったか」「終わったあと、実際はどうだったか」の3つを書いてみます。
私自身、書き出してみて、7つに共通していた「早く元に戻らなきゃ」という焦りに、あらためて気づかされました。
印刷して使いたい方へ


書く欄と罫線を入れたシートを用意しました。A4で2枚です。
ノートに書き写すのが面倒な方は、こちらを印刷して直接書き込んでください。
休むこと自体は、何も間違っていません。書いていて、そのことに少しでも気づけたら十分です。
まとめ|休むこと自体は、何も間違っていなかった
今回は、私が休職中にやってみて後悔した7つの行動を紹介しました。
- 旅行に行って、疲れて帰ってきた
- 実家に帰って、年老いた親を見て落ち込んだ
- 友人に会って、無意識に比較してしまった
- 暗いニュースを見て、不安になった
- LINEの友達を整理した
- 「死」を連想させる映画を観た
- 自己判断で薬をやめてしまった
こうして並べてみると、どれも「絶対にやってはいけないこと」ではありません。
旅行が好きな人もいる。実家に帰ると安心できる人もいる。友人と話すことで元気になる人もいる。YouTubeが気分転換になる人もいる。
だから、この記事を読んで「これはやらないほうがいいんだ」と決めつける必要はないです。
大切なのは、その行動をしたときに自分がどうなるのかだと思います。
私の場合は、「早く元に戻らなきゃ」と焦って動いたことで、かえって疲れてしまいました。
休職中だからといって、何かを成し遂げなくてもいい。生活を完璧に整えなくてもいい。毎日を有意義に過ごせなくてもいい。少なくとも私にとっては、「何もしない時間」も休職期間の一部でした。
もし今、休職している自分に焦りを感じているなら、まずは「今の自分は何に疲れているんだろう」と考えてみてください。何かを足すことではなく、何かをやめることで少し楽になることもあります。
焦って前に進もうとしなくても、その時間はちゃんと、あなた自身のための時間です。
相談先の例:厚生労働省「こころの耳」(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)








